プロダクト
魚類や人体に安全な低出力でありながら、高い殺菌効果を発揮することが特徴です。
魚病リスクの早期予測や最適な照射条件の提案、生産効率の改善策などを提供するクラウドベースのサービスです。

Far-UVC照射システム

IoT 技術を活用した養殖水槽の一元管理システム
本システムは特許出願中です(特願2025-063854)。
魚病感染症が増えている背景

Far-UVCとは?
Far-UVC(遠紫外線)とは、波長200-230nmの紫外線のことです。特に222nmの波長は、従来の殺菌用紫外線(UVC、254nmなど)と同様の高い殺菌効果を持つ一方で、生体の皮膚や眼の表面にあるタンパク質に吸収されやすく、細胞の核(DNA)まで到達しにくいため、人体への影響が極めて小さいとされています。
病原性微生物(細菌やウイルスなど)は非常に小さいため、Far-UVCが細胞核内の遺伝子(DNAやRNA)を損傷させ、不活化することができます。当社のFar-UVC照射システムは、この特性を利用し、養殖水中の病原体を安全かつ効果的に減少させることを可能にします。

Far-UVCは波長207~222nm(主に222nm)と極めて限定された波長の紫外線です。

紫外線の波長ごとの応用例

殺菌のメカニズム
透過性の違い
深部までは到達しない
養殖へ活用するメリット
〇 魚類への安全性:適切な照射条件下では、魚への悪影響はほとんどありません。
〇 薬剤耐性菌対策:物理的な殺菌方法であるため、薬剤耐性菌にも有効です。
〇 環境負荷の低減: 消毒薬の使用量を減らすことができ、環境への負荷を軽減できます。
〇 生産性の向上:魚病の発生を抑制することで、斃死率の低下、成長促進、品質向上につながります。
〇 予防的な対策: 病気が発生する前からの導入により、感染リスクを低減できます。
〇 自動化・省力化:連続的な照射により、消毒作業の自動化・省力化が可能です。
BEAMCURE | 従来のUVC | オゾン | 化学薬品 | バイオティクス | |
特徴 | • 人体に優しい • 殺菌効果あり | • 強い殺菌効果 | • 気体 • 強い酸化作用 • 殺菌,脱臭に有効 | • アルコール • 次亜塩素酸ナトリウム • 過酸化水素 など多種 | • 微生物を活用 • 有害菌の抑制 • 健康促進 |
魚介類の安全性 | ✓ | ✓ | ✓ | ||
病原菌の不活化 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |
コスト | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
魚介類が生育する水槽への紫外線照射が、ついに可能に!
従来の紫外線照射は、魚介類に悪影響を及ぼす可能性があるため、水槽内の生体を一時的に別の場所へ移動させる必要がありました。
この作業には多大な手間と時間がかかり、作業効率の低下や魚介類へのストレスも避けられない課題でした。
しかし、当社の革新的な技術により、魚介類が生育している状態のままで、安全に紫外線を照射できるようになりました。
これにより,水槽内の衛生管理がこれまで以上に簡単かつ効率的に行えるようになり,作業工程の大幅な短縮とコスト削減が実現します。

安全性に関する認証情報や学術的なエビデンス
東京海洋大学との共同研究として、”Thailand”においてバナメイエビの品質保持を目的とした照射試験を実施致しました(2024年8月~12月)。
Far-UVC照射
照射条件:(1時間当たり15分)

エアレーション・チューブ(バイオフィルム少ない)
無照射

エアレーション・チューブ(バイオフィルム多い)
- 〇 水質悪化を防止
- 〇 微生物の増殖を抑制
- 〇 バイオフィルムの発生を抑制
Far-UVC照射



無照射



- 養殖水中のバクテリア増殖を最大 99.7% 抑制
- エビ体表面のバクテリア増殖を最大 99.8% 抑制
データサービス
当社のデータサービス BEAMCURE は、Far-UVC照射システムの導入効果を最大化し、より高度な養殖管理を実現するための包括的なソリューションです(順次、以下のサービスを提供開始予定です)。
- 〇 リアルタイム監視:Far-UVC照射システムの稼働状況(照射時間、強度など)をリアルタイムで監視し、異常を検知した場合にアラート通知を行います。
- 〇 水質データ連携:水温、pH、溶存酸素などの水質センサーと連携し、Far-UVC照射の効果との相関関係を分析します。
- 〇 魚体データ分析:魚の成長データ(体重、体長など)や摂餌量などのデータを収集・分析し、Far-UVC照射が成長や食欲に与える影響を評価します。
- 〇 病歴データ管理:過去の魚病発生履歴や治療記録などを一元管理し、将来の魚病リスク予測に活用します。
- 〇 AIによる最適化提案:蓄積されたデータとAIアルゴリズムを活用し、最適なFar-UVC照射条件、早期の魚病兆候の発見、効率的な給餌管理などを提案します。
- 〇 レポート機能:定期的なレポートを通じて、養殖場の状況や改善点などを分かりやすくご報告します。
- 〇 遠隔サポート:データを通じて、専門家による遠隔でのトラブルシューティングや運用サポートを提供します。
BEAMCURE を活用することで、養殖業者は勘や経験に頼るだけでなく、科学的なデータに基づいた意思決定が可能となり、より安定した生産と収益の向上を実現できます。

ダッシュボード 画面

データ解析画面